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The World Traveler YASUのSKYブログ 〜空は繋がっている〜

努力の代わりにすべきこと。人生後悔しないブッダの生き方

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タイトル: 努力の代わりにすべきこと。人生後悔しないブッダの生き方


皆さん、これまでどれだけ努力を積み重ねてきましたか?私たちは成功を手に入れるために、ひたむきに頑張るよう教えられてきました。ですが、少し立ち止まって考えてみましょう。本当に「努力」だけが成功の鍵でしょうか?もしかすると、私たちは努力の意味を誤解しているのかもしれません。今日は、「努力」よりも大切なことについて、2つの物語を通して考えていきましょう。

まず最初の物語では、頑張ることだけに縛られず、内面的な平穏を見つめる重要性についてお伝えします。この物語は、努力に溺れることで見失ってしまいがちな、本当の目的を取り戻すための教えです。


昔々、ある若い僧侶が、胸に悩みを抱えて師匠のもとを訪れました。彼はため息をつき、「師匠、この寺での修行はもう続けられません」と訴えます。周囲の僧侶たちは政治や権力争いに熱中し、悪口が絶えません。こうした環境では精神の平穏を保つことができないのです。

師匠は静かに彼の話を聞き、質問を投げかけました。「なぜそのように思うのだ?何が具体的に起こったのか教えてくれ。」すると僧侶は怒りを含んだ声で答えました。「他の僧侶たちが政治について話し、私や他の僧侶についての悪口を言っているのです。このままでは修行ができません。どうか、私を平和な寺へと送り出してください。」

師匠は穏やかに頷き、「では、お前を平和な寺へ送り出そう。しかしその前に、1つだけ頼みがある。水の入ったスプーンを持って、寺の周りを一周してきてほしい。もし1滴も水をこぼさずに戻ってきたら、約束通り送り出そう」と言いました。

僧侶はその言葉に従い、慎重にスプーンを見つめながら寺の周りを歩き始めました。彼は全神経を集中させ、何も他に気を取られることなく水に集中しました。やがて、彼は満面の笑みを浮かべながら師匠のもとに戻ってきました。「師匠、1滴もこぼさずに戻ってきました。どうか、私を平和な寺へ送り出してください。」


師匠は微笑み、「では、歩いている間に他の僧侶たちが何か話しているのを耳にしたか?」と尋ねました。僧侶は少し考え、「いいえ、全く気づきませんでした」と答えました。

師匠は満足げに頷きました。「そうだ。お前が全身全霊を集中しているとき、他の人々の言葉や行動に心を乱されることはない。どこへ行っても、必ずしも好ましい環境や人ばかりではない。だが、大切なのはその中で自分を見失わずにいられることだ。」

この話には深い教訓が含まれています。多くの人は、困難や不満を感じると新しい環境を求めてしまいます。しかし、問題の本質は外にあるのではなく、自分の心の中にあるのです。心が平穏でない限り、どこに行っても同じ悩みに直面するでしょう。


そして、ただ努力だけに頼るのではなく、自分の内面を見つめ、どんな状況でも自分自身を保つことが、本当の成功と平穏をもたらします。この物語が伝えるのは、他人の言葉や行動に惑わされず、自分自身の道を歩むことの重要性です。

私たちは日々、周囲の言動に心を乱されがちですが、本当の安らぎは外に求めるものではありません。他人の行動に敏感になりすぎず、自己の目標に集中し続けることが大切です。努力するだけでは解決できない問題もあることに気づくことが、心の平穏を得る第一歩です。


続いての物語も、私たちにとって深い意味を持つ教えです。ある男が心の平穏を求めて禅の師匠のもとを訪れました。男は不安と焦りで心が乱れ、どうにもなりません。思考が嵐のように頭を駆け巡り、何も手につかないのです。

「師匠、どうしても心が静まりません。どんなに努力しても、思考が止まらないのです。どうか、私を救うための特別なマントラを教えてください。」と男は訴えました。

師匠はしばらく彼を見つめ、「瞑想を続けなさい。心の波はやがて静まる。」と答えました。しかし、男はすぐに反論します。「瞑想を試しても、心はますます乱れてしまいます。どうか他の方法を教えてください。」と。

師匠は微笑みながら、「では、特別なマントラを授けよう。ただし、唱える時に絶対に猿のことを考えてはならない。」と告げました。


男は驚きつつも、「猿なんて考えたこともありません」と自信を持って家に帰りました。しかし、マントラを唱え始めると、頭の中に猿が現れ始めました。彼は猿を追い払おうと努力すればするほど、猿のイメージはますます鮮明に心に浮かび上がりました。

次の日、男は再び師匠のもとを訪れ、「猿のことが頭から離れません。どうか、心を静める方法を教えてください」と懇願しました。

師匠は穏やかに微笑み、「無理にコントロールするのではなく、ただ静かに心を観察することだ。」と教えました。


この物語が伝えるのは、私たちの心が猿のように常に動き回るものであり、無理にコントロールしようとすると逆に逆らうということです。心を静かに観察し、執着せずに受け入れることで心は自然に静まります。現代社会では、ストレスが絶え間なく私たちに降り注ぎ、何かを達成するために努力が必要だと信じがちです。しかし、真の心の平和を得るためには、努力ではなく観察の力を養うことが大切なのです。


この2つの物語から学ぶべきことは、ただ努力することだけが人生のすべてではないということです。私たちは周囲の影響に左右されずに、自分にとって本当に大切なものを見極める力を育む必要があります。外の環境や他人の言動ではなく、自分の心を見つめること。それこそが、後悔しない生き方なのです。

心の平穏と自分自身への深い理解こそが、真の成功と幸福への道を開く鍵なのです。

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