宮崎駿監督の三原則から学ぶ「楽しむこと」の本質と成功の秘訣
映画監督・宮崎駿。その名を聞けば、世界中の人々が知るアニメ界の巨匠です。しかし、その成功の裏には、彼自身が掲げる「三原則」があったことをご存知でしょうか?
この記事では、宮崎監督が語る映画作りの三原則をもとに、楽しむことが成功につながる理由を解説します。加えて、「楽しむ」ことの本質、そして私たちが日常でどう実践できるかについても深掘りしていきます。
宮崎駿監督の映画作りの三原則とは?
宮崎監督は若いスタッフたちに常々、次の三つの原則を伝えていました。
- 「おもしろいこと」
- 「作るに値すること」
- 「お金が儲かること」
一見すると、3番目の「お金が儲かること」は意外に思えるかもしれません。しかし、映画制作には膨大な資金が必要です。特に、宮崎監督のようなこだわりを持つクリエイターは、スタッフに何度も描き直しを要求し、最高の作品を作ることに妥協しません。そのためにも、興行的に成功しなければ次の作品を作ることすら難しくなるのです。
なぜ「お金が儲かること」が重要なのか?
映画制作には400〜500人のスタッフが関わり、アニメーター1人が1週間で描けるのはわずか5秒分の映像。つまり、2時間の映画を作るには最低2年の時間がかかります。この長い制作期間を支えるためには、資金が必要不可欠です。そのため、宮崎監督は「おもしろい」「価値がある」だけでなく、「ビジネスとして成り立つ」ことを意識していたのです。
しかし、宮崎監督がこの原則を一度だけ破ったことがあります。
「となりのトトロ」だけは特別だった
「となりのトトロ」は、同時上映だった「火垂るの墓」と共に公開されました。この2本立てという形だったため、宮崎監督は興行成績のプレッシャーから解放されました。その結果、プロデューサーの鈴木敏夫氏によれば「これほど楽しそうに働く宮崎駿を見たことがない」と語るほど、自由に制作を楽しんだのです。
では、楽しんで作った作品は成功したのか?
実は、興行収入としてはジブリ作品の中で最も低い結果に終わりました。
楽しんで作ったはずの映画が興行的には失敗。しかし、「トトロ」には意外な逆転劇が待っていました。
「楽しむ」ことが生んだ奇跡
映画館では振るわなかった「となりのトトロ」ですが、テレビ放映をきっかけに爆発的な人気を獲得。その影響でキャラクター商品が次々と生まれ、結果的にジブリの中で最も収益を上げる作品となりました。
これは「楽しむこと」が生み出した奇跡と言えるでしょう。
では、なぜ楽しんでいる人は成功しやすいのでしょうか?
競馬の福永祐一騎手はこう語っています。
「努力している人は努力していない人には勝てる。しかし、努力している人も楽しんでいる人には勝てない。」
努力は辛さを伴います。しかし、楽しんでいる人は疲れ知らず。だからこそ、楽しんで取り組んでいる人は努力している人すらも凌駕するのです。
「楽しむこと」はラクをすることではない
ここで重要なのは、「楽しむ」と「ラクをする」は違うということです。
「ラクをする」というのは手を抜くこと。一方、「楽しむ」というのは、自分の心からの好奇心を持って挑戦し続けることです。
宮崎監督の三原則が示すように、
- 「おもしろいこと」(ワクワクすることに挑戦する)
- 「作るに値すること」(価値のあるものを生み出す)
- 「お金が儲かること」(社会に受け入れられるものを作る)
これらに真剣に挑むことで、「楽しい」という感覚が生まれます。
楽しむために必要な「未来の手放し」
楽しむためには、結果への執着を手放すことも大切です。
漫画家・赤塚不二夫さんの言葉に、
「ああなりたい、こうなりたいとか言ったって、なるようにしかならないんだぜ。」
というものがあります。
つまり、結果をコントロールしようとすると、不安や恐れが生まれる。だからこそ、「今この瞬間を全力で楽しむ」ことが、最も良い結果を生み出すのです。
まとめ:楽しむことが成功の鍵
宮崎駿監督の三原則は、単なる映画制作のルールではなく、人生にも応用できる教訓です。
- ワクワクすることを追求する
- 価値のあるものを生み出す
- 他人が喜ぶものを作る
これを続けることで、「楽しむこと」ができ、それが最終的に大きな成功につながるのです。
私たちも、自分の人生において、
- 「今、本当に面白いことに挑戦できているか?」
- 「やる価値があることに取り組んでいるか?」
- 「誰かに喜んでもらえるものを生み出しているか?」
これらを問い続けることで、より豊かで充実した人生を送ることができるでしょう。
未来は「なるようになる」。大切なのは「今、この瞬間を全力で楽しむこと」なのです。